2008/11/24

小さな楽園 (『地球の歩き方』より)

2008/09/22 09:39  Dhoni Mighili on Ari Atoll

ラスドゥ・マディバル(Rasdhoo Madivaru)での早朝ダイブを終え、
朝食を摂り始めた7時40分頃、母船が移動を始めた。

アリ・アトール(Ari Atoll)を目指して針路を南南西にとっている。
間もなく前方に3つの島影が現れた。
最初正面に見えた島影は、近づくにつれて右舷側に位置を変える。

地図で確認したら、どうやら島はウクラス(Ukulhas)と周辺の2島のようだ。
出航して1時間ほどで島を通過し、母船はアリ・アトールに入った。
真南に針路を変えて、点在する島の間を母船は静かに進んでいく。
後ろからついてくるドーニは、船足が遅いのでかなり遅れている。

次のブリーフィングは10時から。
1日のうち3、4回ある2~3時間の暇な時間の過ごし方が
3日目あたりから定着してきた。
おしゃべりにも飽きて、ゲストはそれぞれ見つけたお気に入りの居場所で
本を読んだり昼寝をしている。

オトさんとアケちゃん(嫁)はタバコを吸うので、
禁煙の屋内を避け、スターン(船尾)かバウ(船首)のラウンジ・デッキで
過ごすことが増えた。

9時半過ぎ、母船はドーニ・ミギリ(Dhoni Mighili)のそばで速力を落とした。
ムシマスミンギリ(Mushimasmingili)という名前の小さな島に
2003年にオープンしたリゾートだ。
白く伸びるビーチが遠目から見ても美しい。

客室は6室のみ、16歳未満お断り、全室「タクル」と呼ばれるバトラーと、
1室ごとに自由に使える大型ドーニがついているという、超豪華リゾートだ。
ちなみに宿泊料金はお1人さま1泊US$1,100~1,900、
サービスチャージ別途10%だそうだ。
ハリウッドの女優やヨーロッパの富豪が貸切で利用することもあるという。

専用ドーニの使い方は自由。
好きなときにピクニックに出かけられるし、
泊りがけでクルーズに出てもかまわない。
ドーニの中でのディナーでもサンドバンク・ランチでも
「タクル」に一言リクエストすれば思いのままだという。
ダイビングも、ドーニごとにガイドがつくという
完全プライベート・ダイビングだそうだ。



2008/09/22 11:14 at Fish Head on Ari Atoll

10時からのブリーフィングは5分遅れて始まった。
ポイントはフィッシュ・ヘッド(Fish Head)、チーフ・ガイドのアリ(Ari)は
体調不良なのか潜らないという。

フィッシュ・ヘッドは06年11月に潜って以来2度目だ。
アリ・アトールの数あるポイントの中で人気ベスト3に入る好ポイントで、
手元にある「Dive Maldives: a Guide to the Maldives Archipelago. 3rd Edition」(Tim Godfrey著、Atoll Edition発行)では、
丸々1ページをこのポイントに充てている。

この本によると、もともとサメ漁の漁場として漁船が集まる場所だったそうだ。
それを見たダイビングサービスが潜ってみたところ、
まれに見る好ポイントだったので人気が高まったのだという。
漁師にとってサメは、油をとるためのものであり、
ヒレが中国に高く売れる貴重な収入源でもあったため、
ダイバーと漁師の間の軋轢が最近まであったようだが、
1995年に政府がここを保護地区に認定して、
現在は漁ができなくなっているという。



2006/11/29 15:20 at Fish Head on Ari Atoll

水深40mないし50mの海底から立ち上がるティラ(Thila)で、
トップの水深は10m、東西80m、南北40mほどの長方形をしている。

多くのレッジ(棚)やケーブが点在し、魚影も濃い。
グレイリーフ・シャーク、イソマグロ、ロウニンアジがやや深場で見られる。
イエローバック・フュージラー、クマザサハナムロの群れは半端じゃなく大きく、
南側の壁沿いには、かつて餌付けされていた大きなナポレオンが
ダイバーを見つけると近寄ってきて、いつまでも後をついてくる。
ティラの上では、タイマイを見ることができる。

この日、カレントは西から東、透明度は18m。
風はなく、海面は鏡のように凪いでいた。

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